愛妻家でも知られるシャガールは、その妻への想いをテーマにした作品が多いことから「愛の画家」とも呼ばれています。シャガールは、1887年ロシアヴイテプスク(ベラルーシ・ヴィーツェプスク)に生まれました。ヴイテプスクは半数以上がユダヤ人であり、彼もユダヤ人です。1910年にパリに行き、「ラ・リュッシュ」という宿で多くの芸術家たちと出会い多くの刺激を受けました。パリでは、故郷であるヴイテプスクの風景や婚礼や祭事などの情景を描いています。
◇多くの建造物に飾られた彼の作品たち
ベラと出会い、結婚した後は、その日々のことをパリの街をバックに描き続けました。妻の死後、南フランスに移り住んで陶器やステンドグラスの制作を始めます。メッツ大聖堂にはシャガールが制作したステンドグラスがはめられています。1960年の当時フランス共和国文化大臣であったアンドレ・マルローは、親しい仲であったシャガールにオペラ座の天井画を依頼します。天井画は1964年に完成し、その後シャガールは連作である「聖書のメッセージ」をフランスに寄贈します。この17点もの作品を展示するために、ニース市に現在の「国立マルク・シャガール美術館」が1973年に開館されました。
具象的かつ描写的な彼の作品は、今もなお世界的に人気があります。シャガールの主な作品として、「私と村」「緑色のバイオリニスト」「窓越しのパリ」など。ランス大聖堂、聖シュテファン教会のステンドグラスなどがあります。