若い頃からすでに評価されていた「ベルナールビュッフェ」は、日本にも多大な影響を与えた画家です。
◇世界中が影響を受けたビュッフェの作品
17歳でアトリエ作品賞を受賞するなど、20代の頃にはすでに有名であった「ベルナールビュッフェ」は、1928年パリで生まれました。彼の画は黒の描線が印象的で人物の虚無感やどこかしら不安げな表情が、戦後の人々の心情を写し共感を得ました。その時代にマッチしたビュッフェの画は若者たちに多大な影響を及ぼします。また、1950年代には日本でもビュッフェの作品が紹介され、日本の芸術家達も少なからず影響を受けました。1973年には静岡県長泉町に、彼の作品を展示したベルナールビュッフェ美術館が開館されました。
◇人生を変えた「アナベル」との出会い
「絵を描くことしか知らない」と語っていたベルナールビュッフェは、実にその通りに描くことに専念し、自身のすべてを絵に捧げていました。30歳のときに「アナベル」という女性と結婚します。良き理解者でもある妻のアナベルは、ビュッフェの画に多大な影響を与えました。以前はモノクロに近い画を描いていましたが、アナベルと結婚して画風が変わります。色彩も増え、描く絵も明るさが加わるようになりました。また、アナベルを描いた作品も数多く残っています。
ベルナールビュッフェは絵画だけではなく版画も多く残しています。主な作品は、「青い闘牛士」や「アナベル婦人像」。版画では、「日本への旅」や「私のサーカス」などがあります。