美術家

書家と洋画家!2つの顔を持つ中村不折の作品とは?有名な挿絵にも

・中村不折とは?

中村不折は洋画家であり、書家としても活躍されている方です。画家を志しはじめてから、約4年間アカデミー・ジュリアンでジャンボールローランスの指導を受けながら、人物画を徹底して学びました。この留学中に書の研究も行っており、帰国後は画家としてだけではなく書家としても名をはせるようになりました。

・書家としての姿

不折流のデビュー作となった『龍眠帖』は書道会にセンセーションを巻き起こすことに。中村不折の書家は、それまでの正統派の書家とは異なります。

ユニークな書体の字を書いており、一度見たら人を惹きつけてしまうような印象的な作品となっております。

中村不折の作品はデザイン性の高さと親しみやすさから、今までの硬い書家とは異なる存在です。店名や商品名のロゴとして使われやすいため、中村不折の書道作品は今でも様々なところで目にすることができます。

日本盛のラベルや、新宿中村の看板文字、信州一味噌などです。今や当たり前のように日常で目にするようになりました。

また、中村不折は明治文豪との親交が深かったため、夏目漱石の「吾輩は猫である」や、島崎藤村の『若菜集』の挿絵や装飾も手掛けていました。吾輩は猫であるの挿絵になったことで特に有名になり、書家としての知名度を上げていったのです。

中村不折はお金の全てを書道に関する資料収集に費やすほど、書道に人生を注いでいました。生活は貧しいことで有名で、その分書道博物館設立にも繋がるほどお金を蓄えていました。

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