・大橋翠石の虎図とは?
大橋翠石は動物画を研究し続けた画家です。大橋翠石の作品の中で有名なのが虎図で、大橋翠石が描く虎は他のどの画家よりも迫力があります。
虎図では写実に徹した独自の画法を確立させ、写実性の高い作品となりました。今まで虎画を描いてきた画家は、先人たちが描いた構図の模写から創作をして作っていました。
しかし、大橋翠石は生きた虎の写生を元にして描いているため、今までの虎図には見られない写実性が感じられる作品です。虎を実際に写生する人はおらず、大橋翠石は初めての試みを行いました。
きっかけとなったのは、震災の焼け跡で虎の見世物があったことです。大橋翠石は虎に夢中になり、十日ほど通って虎の写生を行いました。通って描いているだけあり、虎の迫力がよく描かれています。だからこそ人々の関心を集め続けるのです。
・大橋翠石の幅広い作品
初めて虎を描いたのちに虎の虜になった大橋翠石は、その後も虎を描き続けました。大橋翠石には様々に描かれた虎の作品があります。虎以外にもたくさんの動物を芸術対象にしており、多様な動物画を描いています。虎をきっかけとして、動物の写生に興味が湧いたのでしょう。
動物画以外にも観音像や蛍などの作品もあり、大橋翠石の画域はとても幅広いものになっています。描くものの範囲が広く、また虎画を見てもよくわかるように高い画力を持ち合わせています。常に様々な挑戦を重ね続けた大橋翠石は、様々な作品を残し続けました。