・独創的な作品
尾形乾山の作品は、茶人などの器好きの人々に広く愛されています。茶人に人気となっている理由は、和歌を連想できる題材を使っていること、大胆でとらわれない発想で作っているためです。
尾形乾山は陶芸の素人であることから、プロが考えつかないような独創的なものを作り上げられるのです。焼き物界では、素人が大変革を起こすことが多いです。尾形乾山はその第一人者として焼き物界を賑わせました。
初めは、水墨画のような大胆な図の絵や鉢、向付(むこうづけ)や蓋物などの食器を精力的に作っていきました。
尾形乾山はレンタルした窯を使って作っていた時代がありました。その時代からは多彩な作風を手掛けるようになり、明るいものが増えていきました。まるで、絵画と焼き物をコラボさせたような、鮮やかな焼き物を作り上げていきました。
・尾形乾山の作品は実用性が低いのか?
斬新で形もデザインも変わったものが多いことから、実用的ではないと考えられがちです。楽焼風であることからもろく、実用性は低いと思われる人が多いです。しかし、尾形乾山の器は焼き物職人に指示を出して作らせていました。
尾形乾山は焼き物のデザイナー的な立場として作っていました。そのため、陶芸の素人でも斬新な絵付けと色使いで、暮らしを豊かに彩る生活道具として矛盾していない焼き物を作り上げています。
尾形乾山の焼き物は、後に「乾山焼」が登場するほどにしっかりとした焼き物であることがわかります。