美術家

日本の四季を映し出す川合玉堂の作品

日本の風景画を代表する「川合玉堂」は、自然を愛した画人のひとりです。

◇少年の頃から才能を開花させていた川合玉堂

川合玉堂は、明治6年に愛知県で誕生しました。14歳のとき、京都の日本画家である四条派の望月玉泉に入門して「玉舟」の号を得ます。その後、円山派の幸野楳嶺の画塾である大成義会に入り、その才能を大きく開花させました。明治23年第3回内国勧業博覧会に出品し、入選したのをきっかけに玉舟を「玉堂」に改号します。また、明治33年頃から私塾「長流画塾」を始めました。昭和15年には文化勲章を受章し、昭和32年の没後に勲一等旭日大緩章を受章しました。

◇川合玉堂の自然をこよなく愛した「作品」

川合玉堂の日本の四季の美しさを情緒豊かに表現した作品は、躍動感さえも感じさせます。また、その四季の流れゆく中で生きる人々や動物の姿を写実的に描いた作品も多く残しています。代表的なものに、「二日月」「行く春」「紙本著色行く春図〈川合玉堂筆/六曲屏風〉」「嶋之春 しまのはる」などがあげられます。特に、「行く春」「紙本著色行く春図〈川合玉堂筆/六曲屏風〉」は国の重要文化財に指定されています。
東京青梅市には玉堂美術館があります。諸団体や有志の寄付により昭和36年5月に建てられました。玉堂の少年時代のものから84歳までのものを、その時期に合った作品が選ばれて展示されています。令和元年10月8日から12月8日(令和元年11月現在)までは、「二重石門」が展示され、数多くのファンが訪れています。

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