・藤井勉とは?
藤井勉の作品は、静かで詩的な風貌を感じさせる少女の作品を中心に描かれています。岩手県で創作活動を始め、第20回シェル美術展で佳作賞をとり、第12回昭和会展優秀賞、その後第23回安井賞展入選を果たしました。
藤井勉の描く写実的な少女画は、基本的に愛娘をモデルとして描かれています。油絵・水彩画・リトグラフで描いた作品があります。リトグラフで描いた少女は、儚げな姿がより強調されており油絵の写真を切り取ったようなリアルな様子とは違った雰囲気です。
・有名な藤井勉の作品
油絵で描かれた「風」は少女が風になびかれている姿を表しています。物思いにふける少女の穏やかな姿が季節の風を感じた姿です。少し寂しそうにも見え、桜の花びらの散らばりが、春から夏へと移り変わる姿を感じさせます。
同じく油絵で描かれた「剣」は第13回昭和会展で優秀賞を受賞した作品です。藤井勉自身の画家人生の環境を変えた、絵の実力を世に知らしめた作品です。
気品ある少女が剣を携え、ドレスの生地感やシワなど細部まで描きこまれた姿がまるで写真を切り取ったように感じられます。仕上げに絵の表面に傷をつけているこだわりが、この絵の世界観を出しています。
どちらも藤井勉の代表作として人気となっています。賞を受賞するほどの作品は、藤井勉にしか描けない姿が隠されています。
・少女以外の作品
藤井勉は少女だけではなく、花や猫の絵も描かれています。油絵で描かれた猫は今にも動き出しそうなほど精密に描かれています。