・酒井抱一とは?
酒井抱一は、江戸時代後期の絵師、俳人です。文化芸術に関心のある家庭で育ちました。兄が絵師であったことから家には様々な芸術家が訪れていました。しかし、若い頃は芸術には関心がなくお遊び程度に絵の制作を行っていました。この時に俳句にも同時に挑戦をしており、どちらも遊び程度だったと考えられます。
そんな酒井抱一が絵師として絵の制作を本格的に行うようになったのは、尾形光琳の作品に惹かれたからです。尾形光琳を尊敬し、作品に惹かれてからは絵師として活動しながら、尾形光琳の作品を研究するようになりました。
・尾形光琳を尊敬している姿
酒井抱一は、尾形光琳の作品をただ模写するだけではありません。尾形光琳のことを尊敬している姿が様々なところで感じられます。尾形光琳百回忌を自らプロデュースしたり、遺作を調べ上げては版画図板「光琳百図」を刊行しました。
尾形光琳が描いた「風神雷神図」を参考にしながら、自身も「風神雷神図」を描いたりと、様々な模写作品を作り上げました。
更には、尾形光琳が描いた「風神雷神図」の裏面に「夏秋草図屏風」を描けることになりました。憧れの人の裏面に自身の絵を描けることは、何者にも代えがたい喜びを感じたことでしょう。この作品は重要文化財として認められました。
酒井抱一の代表作品としても上げられています。酒井抱一の作品には繊細な感覚と鋭敏な情感が溢れており、日本画として日本的なところを楽しめます。